幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
真壁くんとちゃんと話をして、誤解も解いて、告白もきちんと断った。
真壁くんも、きちんと話をしたら、話を聞いてくれて。
「これからは友達で」
と最後に握手をしてくれた。
真壁くんが好きだったことは事実だ。だけど、今の自分が好きなのは、真壁くんではない。
―――今、私が好きなのは、健一郎なのだ。
そう思って、空を見上げた。
そうして一番に思ったことは、健一郎に会いたい。ただそれだけ。
あれだけ毎日顔を合わせているのに不思議なものだ。夜まで待てないなんて……。
健一郎に連絡しようとすると、先に健一郎から連絡が来ていることに気づく。
どうやら、健一郎は大学の校門で待っているらしい。
一緒に帰りませんか、というメールに、笑顔になる。気が付くと小走りになっていた。
「健一郎! まった?」
「いえ、全然」
そう言いながら、健一郎の鼻が少し赤い。
(それ、絶対待ってたでしょ)
私は思わず笑った。