幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

「もう決めたから他はいらない! ってか、普通、私抜きに衣装の相談する!?」
「だって三波さん、適当にこれで、とか言って決めちゃったからでしょう。あとで増やしてくれと懇願しても、他はいらない、の一点張りで!」

 健一郎が不満そうに言う。確かにそうだが、それの何が悪いのだ。
 そもそも普段からパンツスタイルが多い私は、こういうひらひらとした服が苦手だ。動きにくいし、何かあった時にとっさに健一郎に反撃できない。それに……。

「私、こういうみんなの前でまた着替えて登場、みたいなの苦手なの。テキトーでいいって! なんならお色直しなんていらない!」
 私は叫んだ。

「何言ってるんですか! プロのカメラマンも10人配置してるんですから。当日は撮りに撮ってもらいます。ねぇ、佐伯先生!」

 父に話を振るな! と思ったけど、父もうんうん、とそれに同意している。

(ねぇ、あなたそんなに親バカでした?)

 っていうか、カメラマン10人の式って、どこの人気女優だよ。余計に恥ずかしいわ! つっこみどころが多すぎて、混乱する!

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