幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
ふと気づくと、たくさん食べる私を嬉しそうに健一郎が見ていることに気づいて、みないでよ、と悪態をついた。健一郎は、そうですね、と言ったがまだこちらを見ている。
私は健一郎に見られるのが居心地悪く感じたものの、ご飯のおいしさのほうが勝利して、途中からは健一郎のことはすっかり忘れて、ご飯を一粒残らず食べつくした。
ご飯を食べ終えて落ち着いたとき、健一郎がお茶を入れながら、
「三波さん。僕はね、三波さんの子どもなら、絶対かわいいと思いますけど」
と言う。
すっかりそんなことは忘れていただけに、昼のことを急に思い出して、私の背中に大量の汗が流れた。
(しかも健一郎がなんでその話、知ってるの!)
「ど、どうしてそれを!?」
「僕はあなたのことなら何でも知ってますよ」
―――目がマジだ。
「こわいって!」
ははは、と楽しそうに健一郎は笑う。
「大丈夫ですよ。そんなに警戒しなくても」
健一郎は、ポン、と私の頭に手をのせた。
一瞬、心臓がどきりとして、それを誤魔化すように首を振った。
健一郎は私が嫌だと思ったのだと勘違いしたようで、すみません、と寂しそうな顔をして手を離す。