幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
8章:正体のわからない不安
目が覚めると、見ていた夢を全部忘れていた。よくあることだ。でも今日はなんだか心にずっとその夢がひっかかっている気がする。すごく懐かしいような……悲しいような……そんな夢だった。
ベッドからむくりと起きあがると、そのまま立ち上がる。鏡に映る自分の恰好が、ノースリーブにショートパンツであることに気づき、私は少し考えると、すぐに着替え始めた。
とりあえず、丈が長めのガウチョパンツをチョイスする。この選択に別に大きな意味はない。絶対ない。
―――昨日の健一郎の言葉なんて、別になにも気にしていないのだ。