幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
「い、行ってないわよ。なんで私がそっちに行かなきゃいけないのよ!」
「そうですか、勘違いでしたか……」
「そうよ、勘違いでしょ」
私が言うと、健一郎はじっとこちらを見ている。また目線を反らして、なによ、と低い声で言った。
健一郎がこちらに一歩近づいてくる。私はその仕草を見ると、やけにどきりとして、一歩足を引いた。
「な、なに⁉」
健一郎の手が頬に触れそうになると、私は目を瞑って顔を引く。どっどっどっと心臓の音がうるさい。
(まさか本当にキスされる⁉)