幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
15章:嫉妬と不安と期待と
―――そしていよいよ学会当日。
あれから健一郎とは、いつも通り、本当に、なにもなく過ごしている。
健一郎は、いつも以上に忙しそうだったけど、その間でのストーカー行為には余念がなかったし、でも、あれから私に触れることはなかった。私はほっとしていた……わけではない。
(なんなのよ! 勝手にキスしたと思ったら、次は放置!?)
と、私は健一郎の顔を見るたびイライラとしていたのだ。
あのとき、健一郎は、『女性として、あなたのことが好きなんです。本当は、キスだってしたいし、あなたを抱きたいとも思っています』と、確かに言っていた。
別に次を期待しているわけではない。断じてない。
ただ、あんなこと言っておいて、それからなにもないというのも奇妙で仕方ないと思うのだ。