幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

 家に着いた時、まだ手を離してくれない健一郎に
「もう、手、離して」
と思わず言った。
 健一郎は少し考えるそぶりをすると、そっと手を離し、まっすぐ私を見る。そのまっすぐな瞳に射抜かれたように、私はその場で固まった。

「三波さん。もう一度、キスしてもいいですか」
 健一郎が、急にそんなことを聞いてくる。心臓の音が頭に響いた。
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