幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
健一郎が呼んだ警察が来て、男は縛られたまま引き渡された。
というか、健一郎がストーカー男を縛った縛り方が、なんだかSMチックだったのだけど、気のせいだったのだろうか。
警察もそれを見て、苦笑していた。
私を襲った男は非常に恥ずかしそうな表情を浮かべていた。
「もう、大丈夫だから」
私はそう言って、その場を立ち上がる。
そんな私の手を健一郎はそっとつかんだ。
やめてよ、と言って思わず健一郎を睨むと、健一郎は困ったように笑った。
「三波さん。今日は、一緒にいます」
「余計怖い」
「家の前にいるだけなら?」
「勝手にすれば」
私が言うと、健一郎は嬉々として私のあとをついてきた。
(別に健一郎が一緒に来ること、認めたわけじゃないわよ)
だって、あなた、言っても聞かないでしょう? きっと勝手に私の家の前をパトロールするじゃない。以前下着ドロボウが自宅近くに出没したときも健一郎が夜な夜なパトロールしていた。
(そう言えばその下着ドロボウもいつの間にか捕まっていたような……?)
まぁ、それとこれとは別だろう。私がすたすたと家まで歩く三歩後ろ、ぴったりと健一郎がついて歩いてくる。もう健一郎の方が完全に不審者だ。
そしてその後、本当に一晩、健一郎は私の部屋の前で過ごしたのだった。