幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
私はまた自分の二の腕をそっとつかみ、
「やっぱ運動しようかな」とつぶやいた。
すると、不思議と森下先生は顔を輝かせる。
「じゃぁ、ジムでも行かない? 私が行きだしたとこあるの! 駅前の。深夜までやってて便利だし。今なら体験もできるし!」
森下先生は、握手するときのように、手を前に出す。
ジム……運動か。
ダイエットと言えば、食事を減らす以外考えたこともなかった。
でも食事を減らしたくないなら、運動よね。運動。森下先生と一緒なら心強い。
私は森下先生の差し出した手をつかむと、
「はい! そうします! お願いします!」
と叫んだ。そんな私に、本橋教授までもが、
「運動するのはいいことだと思うよ。二人が慣れたころに私も行ってみようかな」
と笑ったのだった。
―――こうして、私のダイエットは始まろうとしていた。