幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

「うっわぁ! 音を立てて帰ってきてよ!」
「すみません」
 そう言う健一郎を睨むと、先ほど目の前に置いていた雑誌を隠そうと手を伸ばす。しかし、健一郎の方が先に動いた。健一郎は雑誌をひょい、と取ると、じっとそのページを見る。

「『魅惑的な身体になるためのエクササイズ』?」
「ちょっ……!」

(音読されると、なんかすっごい恥ずかしいんだけど!)
 しかも、健一郎のためにこれをしてたと思われたら最悪だ!

 そんなことを思って赤くなったり青くなったりしていると、健一郎は小さくつぶやいた。

「三波さん」
「ち、違うからね!」
「だめです」
「なにが……」

(もしかして、こんなことしても絶望的なくらい無駄だろうか……)
< 98 / 227 >

この作品をシェア

pagetop