幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
「うっわぁ! 音を立てて帰ってきてよ!」
「すみません」
そう言う健一郎を睨むと、先ほど目の前に置いていた雑誌を隠そうと手を伸ばす。しかし、健一郎の方が先に動いた。健一郎は雑誌をひょい、と取ると、じっとそのページを見る。
「『魅惑的な身体になるためのエクササイズ』?」
「ちょっ……!」
(音読されると、なんかすっごい恥ずかしいんだけど!)
しかも、健一郎のためにこれをしてたと思われたら最悪だ!
そんなことを思って赤くなったり青くなったりしていると、健一郎は小さくつぶやいた。
「三波さん」
「ち、違うからね!」
「だめです」
「なにが……」
(もしかして、こんなことしても絶望的なくらい無駄だろうか……)