きみはハリネズミ











「んじゃ俺も」













教室の一番後ろ。


真っ直ぐに私の耳に届いたその声は、振り返らなくても彼のものだと分かった。


なんで。


「ちょ、待てや茅ヶ崎。お前スタッフで入んねぇと客集まらんて」


茅ヶ崎くんの声に教室が沸騰するように慌て始める。


「俺頼みかよ。それくらいどうにかしろよ」


「えー、律がやんならあたしもやろうかな」


「お前もうスタッフで決まってんじゃん」


なんで。


「律絵なんて描けんの?」


「俺美術5だから」


「お前他の教科も5だべや…」


………………


…………


……



< 10 / 73 >

この作品をシェア

pagetop