きみはハリネズミ
「んじゃ俺も」
教室の一番後ろ。
真っ直ぐに私の耳に届いたその声は、振り返らなくても彼のものだと分かった。
なんで。
「ちょ、待てや茅ヶ崎。お前スタッフで入んねぇと客集まらんて」
茅ヶ崎くんの声に教室が沸騰するように慌て始める。
「俺頼みかよ。それくらいどうにかしろよ」
「えー、律がやんならあたしもやろうかな」
「お前もうスタッフで決まってんじゃん」
なんで。
「律絵なんて描けんの?」
「俺美術5だから」
「お前他の教科も5だべや…」
………………
…………
……