きみはハリネズミ
学校から15分離れた工務店でペンキを買って帰る途中、喉の渇きを覚えた私は構内にある食堂の横に設置された自販機に寄った。


所々赤い文字が表示する「売り切れ」の文字。


人気のラインナップはほぼほぼ売り切れで、仕方なく缶コーヒーを選んだ。


間違っても隣のイチゴミルクなんか買わないように慎重にボタンを押す。


ガコン、と鈍い音を立てて出てきたコーヒーは160円に見合わないほど小さかった。


落ち着いて飲もうとコーヒーを片手に教室棟を通ってバルコニーへと向かう。



ふと閑散とした教室に女子2人が机を合わせて作業しているのが見えた。


今年は衣装が大変そうだと通り過ぎようとした時 ───────
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