きみはハリネズミ
「…高坂さんってさ、ハリネズミに似てるよね」
ふと線を引く手を止めて茅ヶ崎くんがぽつりと言った。
「ハリネズミ?」
「そう。ほら、倫理の授業でやらなかった?“ヤマアラシのジレンマ”っていうやつ。
ヤマアラシは針があるから近づくとお互いの針で相手を傷つけたり、自分が傷ついたりしてしまう。
けど離れて生きるには暖かさが足りなくて、距離感に葛藤するんだ。
高坂さんは小さいからハリネズミ」
「私は別に…」
私はハリネズミみたいに可愛くない。
人に甘えるなんて、できない。
でも、と茅ヶ崎くんは続ける。
「人と関わるのを怖がってる」
ふと線を引く手を止めて茅ヶ崎くんがぽつりと言った。
「ハリネズミ?」
「そう。ほら、倫理の授業でやらなかった?“ヤマアラシのジレンマ”っていうやつ。
ヤマアラシは針があるから近づくとお互いの針で相手を傷つけたり、自分が傷ついたりしてしまう。
けど離れて生きるには暖かさが足りなくて、距離感に葛藤するんだ。
高坂さんは小さいからハリネズミ」
「私は別に…」
私はハリネズミみたいに可愛くない。
人に甘えるなんて、できない。
でも、と茅ヶ崎くんは続ける。
「人と関わるのを怖がってる」