きみはハリネズミ
一瞬、時間が止まったかと思った。





同時にお腹の底から熱いものが込み上げるのを感じた。





何が分かるの。





私のことなんて知らないくせに。





どうしてそんなことが言えるの。





「…勝手なこと言わないで」


リミッターが外れる音がした。


「私の何を知ってるの!?陰口言われて可哀想だって思ってる?傷ついてるだろうな、慰めてやらなきゃなって?そんな偽善者みたいな同情が欲しいとでも思った!?」



だめだと分かっているのに、溢れた感情は止まってくれなかった。



「みんなに愛されて守られて、上手く生きていける茅ヶ崎くんに私の気持ちなんて分かるわけない!」



こんなのただの八つ当たりだ。






茅ヶ崎くんビックリしてるだろうな。






積み上げてきたものも、全部だだ崩れだ。





きっと軽蔑される。











あぁ、













どんなに針で自分を着飾っても、


















私は強くなんてなれない。














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