きみはハリネズミ
翌朝、学校に行くと私の机と教科書が無くなっていた。
校内を探し回ってやっと部室棟の側で見つけた机には『尻軽女』とマジックペンで書かれていた。
優里香は涙を飲み込んで机を拭く私に、『自業自得』と小さく呟いた。
その日以来、優里香とは話していない。
違う高校に進学して、連絡も途絶えた。
西野は、お互い意識していたけれど最後まで想いを打ち明けることもなく、私の初恋はあまりにもあっけなく散った。
涙も出なかった。
恋というものは大切にしてきたものを壊してしまうことがあって、
真実は人を傷つけてしまうこともあるのだと、
そう割り切れることができないほど、私は未熟で幼かった。
一緒に笑った思い出も、一緒に泣いた思い出も、全部消えてしまうなら初めから無ければいい。
もう、大好きな人を傷つけたくない。
傷つきたくない。
だったら、人と関わらなければいい。
笑って誤魔化して距離を取れば、きっとうまく泳いでいける。
大好きだった親友は、もういないんだ。
そう言い聞かせれば、また不格好でも笑える気がした。
校内を探し回ってやっと部室棟の側で見つけた机には『尻軽女』とマジックペンで書かれていた。
優里香は涙を飲み込んで机を拭く私に、『自業自得』と小さく呟いた。
その日以来、優里香とは話していない。
違う高校に進学して、連絡も途絶えた。
西野は、お互い意識していたけれど最後まで想いを打ち明けることもなく、私の初恋はあまりにもあっけなく散った。
涙も出なかった。
恋というものは大切にしてきたものを壊してしまうことがあって、
真実は人を傷つけてしまうこともあるのだと、
そう割り切れることができないほど、私は未熟で幼かった。
一緒に笑った思い出も、一緒に泣いた思い出も、全部消えてしまうなら初めから無ければいい。
もう、大好きな人を傷つけたくない。
傷つきたくない。
だったら、人と関わらなければいい。
笑って誤魔化して距離を取れば、きっとうまく泳いでいける。
大好きだった親友は、もういないんだ。
そう言い聞かせれば、また不格好でも笑える気がした。