きみはハリネズミ
「茅ヶ崎、文化祭活動サボんのは勝手だけどな、立て看板審査あんの忘れんなよ」


倉庫の入口にもたれ掛かった志谷先生が呆れたように言った。


茅ヶ崎くんの名前は関わりのない2年の担任まで知っているらしい。


「あれ、先生そんなこと言うキャラでしたっけ」


「審査委員俺なんだよ。全クラスから看板回収できなきゃ俺が怒られる」


「うわー、悪い教師」


「サボんの見逃してやるだけマシだと思えクソガキ。……サボんならさっさと行けよ」


志谷先生はしっしと手を振る。


本当に教師かと思うほどのクズっぷりだ。


「あ、看板出したら倉庫の鍵閉めといて。…俺の給料下がったらお前のせいだからな」


「はいはい」


苦笑した茅ヶ崎くんは志谷先生から倉庫の鍵を預かると、校門に向かって歩き出した。
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