きみはハリネズミ
「高坂さん寒くない?」
「大丈夫」
秋の風は寂しい音がする。
だから秋が嫌いだった。
皆と笑いあってるはずなのになぜか孤独で、それを指摘するかのように首筋を通り抜ける風が疎ましかった。
「茅ヶ崎くんはしんどくない?」
「高坂さん小さいから大丈夫だって。俺男だよ?」
秋風を遮る暖かみに触れないように、そっとシャツだけをぎゅっと握る。
「大丈夫」
秋の風は寂しい音がする。
だから秋が嫌いだった。
皆と笑いあってるはずなのになぜか孤独で、それを指摘するかのように首筋を通り抜ける風が疎ましかった。
「茅ヶ崎くんはしんどくない?」
「高坂さん小さいから大丈夫だって。俺男だよ?」
秋風を遮る暖かみに触れないように、そっとシャツだけをぎゅっと握る。