きみはハリネズミ
不意に俺さ、と茅ヶ崎くんがおもむろに口を開いた。
「小さい頃体弱くて小学校ほとんど通ってないんだ」
「…え?」
耳を疑った。
だって茅ヶ崎くんはバスケ部で、よく表彰されているくらいバスケが上手い。
体が弱いなんて噂ですら聞いたことがなかった。
目を丸くする私に茅ヶ崎くんは「一過性のものだったから今は治ったけどね」と付け加えた。
「いきなり中学入学したって当然友達なんて出来なくて、ちょっとした不登校にもなった。
そん時に近所に住んでた幼なじみが言ってくれたんだ。“律の気持ちは律が言わなきゃ誰も分かってくれないよ”って」
茅ヶ崎くんは昔を懐かしむように目を細める。
「少しずつ自分のことを話すようになったら友達が出来た。困ってたら助けてくれる人が出来た。自分のことを理解してくれる人ができた。
きっと誰かが見ててくれるから。だから高坂さんも大丈夫。自分に未来を贈れるのは自分しかいないんだよ」
「小さい頃体弱くて小学校ほとんど通ってないんだ」
「…え?」
耳を疑った。
だって茅ヶ崎くんはバスケ部で、よく表彰されているくらいバスケが上手い。
体が弱いなんて噂ですら聞いたことがなかった。
目を丸くする私に茅ヶ崎くんは「一過性のものだったから今は治ったけどね」と付け加えた。
「いきなり中学入学したって当然友達なんて出来なくて、ちょっとした不登校にもなった。
そん時に近所に住んでた幼なじみが言ってくれたんだ。“律の気持ちは律が言わなきゃ誰も分かってくれないよ”って」
茅ヶ崎くんは昔を懐かしむように目を細める。
「少しずつ自分のことを話すようになったら友達が出来た。困ってたら助けてくれる人が出来た。自分のことを理解してくれる人ができた。
きっと誰かが見ててくれるから。だから高坂さんも大丈夫。自分に未来を贈れるのは自分しかいないんだよ」