きみはハリネズミ
「………あった」










たったひとつだけ。


努力が無駄にならずに、形になる方法。





「もうやめだ!こんなんもう意味ないって」


「うちのクラスは文化祭棄権!もう完全観客スタイルで!」


「はい解散解散」


ガコンッ!


空になったサイダーのペットボトルが大きな音を立ててゴミ箱に投げ入れられる。


スローモーションで虚空を走った雫が、ほんの一瞬光って消えた。
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