きみはハリネズミ
「あと5分で開店です!色んなことありましたが、ここまで来れたのは皆さんの努力と汗と涙のおかげです、ありがとう」



尋の言葉に、みんな顔を見合わせてはにかんだ。


今笑えるのはきっとみんなが1番頑張った証拠だ。



「だけどここで満足する3組じゃないでしょ?」



尋は片頬を上げてニヤリと笑った。



「一発かましたれ!!!」



「っしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



教室が弾けるように振動する。



とてつもないエネルギーが集まって、大きくなって、教室を震わせているみたいだった。



私、その中にいるんだ。



ちゃんと、みんなの中に。



大嫌いだった人が光を見せてくれた。



世界が違うはずのクラスメイトが、私の背中を押してくれた。



手を伸ばしたら、見たことがない景色が広がっていた。



私は大きく息を吸い込んだ。



「絶対成功させよう!」










届け。









届け。









届け。










誰かの心を揺さぶることができるまで。









「当たり前!!」










みんなが私に笑いかけてくれる。









あぁ、幸せだ。














自然と笑みが零れた。











私たちの長くて短い1日が、幕を開ける。
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