皇太子様の婚約者は、急遽「私」になりました
でもその日は違った。


いや、最初は気づかなかった。


いつもみたいにレティシアとしての生活が始まった。


私と同じ20歳になっていたレティシアは、まだ暗いうちに起きて公務に勤しむ毎日だった。


でも、目が覚めているのになかなか起き上がろうとしない。


(あれ、どうしちゃったの?)


私が不審に思っているうちにすっかり窓の外が明るくなってしまった。


いつもは体調が悪くても、皇太子の許嫁として凛と振舞っていたのにベットからも起き上がらない。


…コンコン


「レティシアお嬢様、お目覚めですか?」
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