皇太子様の婚約者は、急遽「私」になりました
あれ。これってもしかして。


私がさっき思った事を口に出来たみたいに、レティシアの体が私の体になっちゃったの?!


ふと気になって体を持ち上げると、やっぱりレティシアの体はベットから起き上がった。


「あれ、私…どうして…」


そうよ。こんなことありえない。だってこれは夢だもん。


「お嬢様?やはり体調がよろしくないのでは?」


アンリが近づいてきて、私の頬に手を当てた。


(冷たい…!)


「嫌!やめて!」


私はとっさにアンリを突き飛ばしてしまった。


今まで、こんなにもリアルに感覚が伝わってくることなんてなかったのに!


本当にレティシアと入れ替わってしまったの!?


もしもそうなら今すぐに目覚めなきゃ…


不審な顔をするアンリをよそに、私は腕をつねってみた。
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