クリスマスの朝
そして、ミハイルからこう言われたのだ。

「ヤ ティビャー リュブリュー(愛しています)」

最初雪音は戸惑い、「ごめんなさい」と言ったのだが、ミハイルは諦めることなく雪音に「好き」と言い続けた。

情熱的な愛の詩を書いたり、花やぬいぐるみをプレゼントしたり、ロシア料理を作ってくれたりもした。

そして、次第に雪音もミハイルを好きになり、出会ってから三年で二人はようやく付き合うようになったのだ。



ミハイルが日本に来ることはあったが、逆に雪音がロシアに行くのは初めてだった。

日本とは全く違う風景に辺りを見回す雪音に、ミハイルはニコニコしながらロシアを案内する。ロシアの首都、モスクワには歴史的建造物や自然が多く、魅力的だ。

モスクワを代表する観光地の赤の広場や、玉ねぎのような屋根が特徴的なポクロフスキー聖堂を観光し、ボリショイ劇場で世界最高峰の演劇を見たりする。

あっという間に夕方になり、ミハイルが雪音に言った。
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