クリスマスの朝
「ミハイル、まだ寝てる……」

雪音は、ミハイルの幼い寝顔をじっと見つめる。ミハイルの寝顔を見るのは初めてだ。雪音は「こんな顔で寝るのね」と癒された。

「……ドーブラエ ウートラ(おはよう)」

フニャリとした笑顔を見せ、ミハイルは目を覚ます。雪音も微笑み、「ドーブラエ ウートラ(おはよう)」と言ってキスをした。

「今日、クリスマスよね?」

「うん」

雪音は「プレゼント!」と言い、かばんの中からラッピングされた箱を取り出す。ミハイルは「えっ?僕に?」と驚く。雪音はコクリと頷いた。

「わあ〜、嬉しいな!何だろう?」

雪音がプレゼントしたのは、赤いチェックのマフラーだ。まだまだロシアは寒い。ミハイルはとても喜び、何度も「大好き!」と繰り返す。

「そうだ!僕からもプレゼントがあるんだ!」

ミハイルはベッドから出て、雪音に「こっちに来て」と手招きする。雪音も「何かしら?」と微笑みながら後に続く。ミハイルが雪音を連れて来たのは、リビングだった。
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