雨と霧と煙の異世界生活
―楓side―
「…ごめんね。」
そう、囁くように、呟くように、誰かが僕にそう言ってくる。
「あなたにこれ以上負荷を掛けたくはないのだけれど…。」
その声は、とても優しく…心から反省してるような、悲しい声。
「やっぱり…あなたにしか出来ない…。」
美しくも可愛らしいその声は…一体何処から聞こえているのだろう。
「…お願い、どうか_______…」
その声が僕に届くことはなく…
まるで、ノイズがかかるようで…
「…頼み、ました…。」
…何でそんなに、悲しい声をしているの…?