無邪気な彼女の恋模様
「ここでは、印刷、製本、仕分けと、三つのチームに分かれて作業してもらいます。」

プリンターで印刷をするチーム。
それをホッチキスで留めて製本するチーム。
さらにそれを行き先毎に仕分けるチーム。

大まかな仕事内容はそんな感じだった。
特に誰がどれをという指定もなく、私は一番年下なこともあり最後に残ったところを受け持つことにした。

私が担当するのは、製本業務になった。
一緒にやるのは水戸さんというやたら馴れ馴れしいおじさん。
同じフロアで働いているので顔は見たことがあるが話すのは初めてだ。
大丈夫かなと思ったけれど、水戸さんは超フレンドリーでコミュニケーションに関しては問題なくいけそうな感じだ。

「木村さんはやらないんだねぇ。」

「ほんとですね。」

水戸さんのぼやきに相槌をうつ。
リーダー木村さんだ、わーい!と思っていたけど、木村さんは実作業は行わないらしい。
あくまでも取りまとめのリーダーなのね。
毎日木村さんのお顔が拝めるかもと思っていたけど、そう甘くはなかった。
やはり木村さんは芸能人タイプだ。

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