無邪気な彼女の恋模様
「どこの店だよ?」

「駅前の何て名前だっけ?何かおしゃれなバーです。イケメンはお店のチョイスもイケメンですねぇ。」

私がうんうんと頷いていると、波多野さんはものすごくものすごーく嫌そうな顔をした。

「木村が選びそうなところだ。虫酸が走る。」

「…木村さんのこと嫌いなんです?」

「大嫌いだね。」

波多野さんが吐き捨てるように言うので、私は言葉に詰まった。
波多野さんから怒りオーラがものすごく出ている気がする。
どうしよう、私今から木村さんと飲みに行くんだけど。

「あー、もしかして波多野さんも一緒に飲みに行きたかったとか?」

冗談で場を和ませようとしただけなのに、波多野さんは無言で私の頭をグリグリした。

「いたたたたっっっ!」

「百瀬のアホ!」

どうやら私は対処法を間違えたらしい。

もー、ほんと男心わからん!
< 30 / 100 >

この作品をシェア

pagetop