無邪気な彼女の恋模様
***

季節は冬に移り変わり、あっという間に年末になった。
リノベーションチームの忘年会は、人数が少ないこともありこじんまりとしている。
当然のように全員参加だ。

今年もお疲れ様でしたという乾杯のあと、三浦さんが実は…と切り出した。

「来年結婚することになりました。」

普段クールでバリバリのキャリアウーマンの三浦さんが頬をピンクに染めながらはにかんでいる姿を見て、私は感嘆の声をあげた。
これはギャップ萌だ。

「ご結婚ですか!」

コクリと頷く三浦さんがとんでもなくいじらしい。
誰からともなく拍手が湧いた。

「彼氏さんどんな方なんですか?写真とかないですか?」

私が食いつくと、三浦さんは躊躇いながらもスマホに保存されている写真を見せてくれる。

「ちょっと前にブライダルフェアに行ったものなんだけど。」

スマホの画面には、純白のドレスを着た三浦さんとその隣で優しく微笑む彼氏さんが写っていた。
三浦さんの腰に添えられた彼氏さんの手が甘い。
甘いよー!

「素敵~!いいないいな!」

まるで自分のことのようにはしゃぐ私に、三浦さんは更に照れて頬を染めた。

「やっぱりウェディングドレスは女子の憧れですよねー。」

「女子って歳かよ。」

三浦さんに同意を求めたのにすばやく波多野さんのツッコミが入り、私は頬を膨らませた。
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