無邪気な彼女の恋模様
波多野さんは私をベッドへ座らせると、今度は甘くて長いキスをした。
それだけでもう夢見心地でふわふわとする。
何も考えられないままあっという間にベッドの上で組み敷かれて、たくさんの甘いキスが降り注いだ。

服の上から体をなぞられるだけで、私は燃えるように熱くなる。
キスをしながら波多野さんの手は私の服の中に入ってきて、思わず声が出た。

「んっ…。」

「花緒、可愛いな。」

ぶわっと鳥肌が立つほどに胸がきゅーんとなる。
波多野さんに触れたくて手を伸ばしかけたとき、突然電話が鳴り響いた。

サイドテーブルに置かれている波多野さんの携帯電話だ。
波多野さんは完全に無視して私をまさぐる手を止めない。
けれど電話は鳴り続けている。

気になって…集中できないっ!

「波多野さん、電話ですよ。」

「ん?いいよ。」

「で、でもっ。」

鳴りやまない電話が気になって仕方ない。
急な用事じゃないのかな?
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