無邪気な彼女の恋模様
五章 真剣に考えてるって言っただろ
「百瀬さん、申し訳ないんだけど…。」

三浦さんが両手を合わせてごめんなさいのポーズをする。

「はい、何でしょう?」

デスクで書類仕事をしていた私は顔を上げた。

「ワークルームの仕事を手伝ってほしいの。」

「ワークルームですか?」

聞けば、三浦さんは木村さんからワークルームの仕事のヘルプを頼まれたそうだ。
なんでも、ワークルームメンバーが同時に三人もインフルエンザにかかって休暇が相次ぎ、てんやわんや状態になっていると。
ただでさえ人手不足なワークルームだから、仕事がパンク気味なのが目に見えて分かる。

「二週間限定のお手伝いなんだけど。百瀬さんなら経験あるし、行ってもらえるかしら?」

ワークルームといえば木村さんと水戸さんがいるので、ちょっと抵抗感がある。
だけどまあ、仕事だからしかたがない。
それに私はワークルームの仕事を覚えている分、即戦力になるのだから。

「わかりました。」

私はやりかけの書類に付箋を貼って整えてから、久しぶりのワークルームへ赴いた。
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