無邪気な彼女の恋模様
印刷製本作業専用部屋、通称ワークルームに集まったのは、ちょっとアレなメンバーだった。

アレとは、定年間近のおじさんや、やたら馴れ馴れしいおじさん、挨拶もしないぼーっとした人、現場上がりの強面。
ちょっともしやこれは各部署いらないメンバーが集められたのでは?なんて勘ぐってしまいたくなるような個性的な人員だ。
女子は私だけ。
しかも私でかなり平均年齢下げてる感じ。

そこに颯爽と登場したのは、イケメンエリートリーダー木村さんだ。
ヤバイ、木村さんだけオーラが違う。
何だか神々しい気がするのは気のせいだろうか。

「皆さん自分の業務がお忙しい中、集まっていただきありがとうございます。今回このワークルームを取りまとめることになりました木村です。」

木村さんは丁寧に挨拶をすると、全員を見渡してニコリと微笑んだ。

ここに女子がいたら、一瞬で木村さんの虜になっていたに違いない。
いや、私も女子だけど。
爽やかすぎて眩しい。
このおじさんたちに囲まれていても負けないオーラがまさに芸能人。
ありがたくて思わず拝んでしまいそうになるのを必死で堪えて、私は木村さんの話に耳を傾けた。
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