クールな婚約者との恋愛攻防戦
同棲開始
そして、予定していた一週間後の日曜日。


私は父に車で送ってもらい、高原家の別荘へとやって来た。

……今日からここで、樹君と二人で暮らすんだなあと、別荘を見上げて思った。


一戸建ての、綺麗な建物。
駅からは徒歩圏内で、買い物にも不便はなさそう。

周囲に店も民家も何もない森林の奥地のような場所にある別荘だったらどうしようかなという心配も実は密かにしていたものの、それは杞憂に終わった。


ちなみに、実家からは車で一時間半ほど離れている距離だ。



一応インターホンを押すと、中から扉が開き、お父様が顔を出してくれた。


「やあ、待っていたよ」

さあどうぞ、とお父様が私と父を別荘の中へと招いてくれる。


内装も、シャンデリアや置き時計など、煌びやかでお洒落なものがたくさんあり、気持ちが高鳴る。

大きな玄関の先には、広い廊下が横に続いている。
右側には、二階へ続く吹き抜けの階段。

実家ほどではないけれど広々としていて、ここで暮らすことに対して、更にわくわくしてきた。
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