クールな婚約者との恋愛攻防戦
翌朝、パッと目を覚ますと、まずはカーテンを開けて天気を確認。

朝日が眩しい。今日は快晴のようだ。
遊園地日和だな、とガッツポーズをした。


いつもよりお洒落をしようかなと思ったけれど、きっとたくさん歩くだろうから、スニーカーに合いそうなカジュアルな服装を選んだ。
白のオーバーサイズスウェットに、デニムミニスカート。カジュアルだけど可愛い仕上がりになったと思う。服装がカジュアルな代わりに、バッグはお気に入りのよそ行きを選んだ。

メイクも、普段のナチュラルメイクよりは気合いを入れる。と言っても、濃いメイクは私はあんまり似合わないから、ほどほどに。



「樹くーん、お待たせー」

階段を下りると、リビングで樹君が待っててくれていた。


「ああ。じゃあ行くか」

樹君は、ベージュのスウェットの上にデニムのジャケットを羽織り、黒のスキニーを合わせていた。
大人っぽくて落ち着いた雰囲気の服装で、樹君にぴったりだと感じた。



玄関を出て、車庫に入っている樹君の車に乗り込む。

この車に乗らせてもらうのは、今日が初めてだ。

それに、実家で車に乗る時と言えば、専任の運転手が運転する車の後部座席に座ることが常だったから、こんな風にデートで助手席に乗るなんて憧れだったし、叶わない理想だとも思っていた。


車は、大きくてゆったりとしていて、乗り心地は良い。
高級車ではあるのだろうけれど、実家の車よりはカジュアルな感じだ。
聞けば、樹君は気取った車よりもこういう車を徐々に自分の好みに仕上げていく方が好きらしい。
車のことはよく分からないけれど、ちゃんと自分の好みを持っていて、しかも運転も上手で、凄いなあと思う。
私もそのうち免許取ろうかな。必要ないって、父には言われそうだけれど。
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