クールな婚約者との恋愛攻防戦
「とても真面目で優しそうな旦那様ですよね」
沈黙が苦手なので何か話題を、と思い、旦那様の話を切り出した。とは言え、社交辞令やその場しのぎの話題ではなく、本音だ。
「ありがとうございます」と、藍実さんもそう答え、ふんわりと笑った。
……だけど。
「……でも、真面目過ぎてつまらないところもあるんです。樹君を旦那様にする愛梨さんの方が羨ましいわ」
……突然そんなことを言われ、右手で持っていたシャンパングラスを落としそうになってしまった。
「あら。愛梨さん、大丈夫?」
「は、はい」
グラスは大丈夫だけど……今の発言、何?
藍実さんと樹君が不倫なんて有り得ない……とさっき思ったばかりなのに、急に、また胸がざわつく。
……今日は猫を被ると決めたいたけれど、質問するなら今しかない。
「藍実さん」
「はい?」
「間違いだったらすみません。夕べ……樹さんと深夜に電話、していませんでしたか?」
沈黙が苦手なので何か話題を、と思い、旦那様の話を切り出した。とは言え、社交辞令やその場しのぎの話題ではなく、本音だ。
「ありがとうございます」と、藍実さんもそう答え、ふんわりと笑った。
……だけど。
「……でも、真面目過ぎてつまらないところもあるんです。樹君を旦那様にする愛梨さんの方が羨ましいわ」
……突然そんなことを言われ、右手で持っていたシャンパングラスを落としそうになってしまった。
「あら。愛梨さん、大丈夫?」
「は、はい」
グラスは大丈夫だけど……今の発言、何?
藍実さんと樹君が不倫なんて有り得ない……とさっき思ったばかりなのに、急に、また胸がざわつく。
……今日は猫を被ると決めたいたけれど、質問するなら今しかない。
「藍実さん」
「はい?」
「間違いだったらすみません。夕べ……樹さんと深夜に電話、していませんでしたか?」