「可愛い」があふれる世界へ!
エリザベータは激しく怒りながら、母に言う。

「花音はね、ハンガリーに来てからずっと仕事を頑張っていたの!!倒れるまで!!それがなぜだかわかる?日本であったつらいことーーーあなたたちのことを忘れるためよ!!花音は結婚式には出席しない、日本にも帰らない、帰ったとしてもあなたたちのところへは行かない!!花音はハンガリーのカッコいい素敵な男性と幸せになるんだから!!」

そう言い、エリザベータは電話を切る。全身で怒りを表すエリザベータを見て、花音は心が震えた。

日本にいた頃は、周りはみんなうららの味方だった。花音の言葉に耳を傾けようとせず、いつも孤立していた。でも、今は違う。ここに味方がいてくれている。花音は嬉しくて、泣いてしまった。

「エリザ、ありがとう」

花音が日本語で言うと、エリザベータは「どういたしまして」と笑う。さっきのような笑顔ではなく、いつもの素敵な笑顔だ。

「エリザ、次の休みもどこかへ遊びに行こう?可愛い服を買いに行きたいな」
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