俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
 誰よりも真摯に仕事と向き合っている。私の表情ひとつで感情を読み取ってくれて、ピンチの時には助けてくれて。甘えてもいいって言ってくれた。
 
そんな人を好きにならないほうがおかしいのかもしれない。

 あんなに強く二度と恋愛しない、仕事に生きると誓ったのに、副社長はどんどん私の心の中に入ってきた。もう追い出すことができないほどに。

 だけど今は好きだと言ってくれているけれど、この先も変わらずにいてくれるか自信がない。なにより気持ちが通じ合えても、私と副社長では不釣り合いすぎる。……それでも今は、自分の中で確実に大きくなっている彼への気持ちを大切にしてもいいかな?

 高瀬さんが戻ってくるまで、私の手をギュッと掴んで離さない副社長の寝顔を見つめながら、強く願った。
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