俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「それにダディの会社を継いで、瑠璃ちゃん以外の人と結婚したら、僕がダディとお兄ちゃんに文句を言ってあげるよ!」

「圭太君……」

 すると圭太君は私の手をギュッと握った。

「あのね、マムがよく僕に言ってたの。自分の気持ちに正直に生きなさいって。好きなことをたくさん見つけてそれをやって、好きな子にはちゃんと好きって言わないとだめだって。そうしなきゃ幸せになれないんだよ?」

 圭太君の話を聞き、泣きそうになった。

 頭ではわかってる。今の私では幸せになれないって。でも副社長と私の未来が重なることはないでしょ? 正直になったって自分がつらい思いをするだけだもの。だったら最初から伝えなければ傷つくことはもちろん、副社長を困らせることもない。

 だけと圭太君は泣きそうな顔で必死に私に懇願した。

「お願いだよ、瑠璃ちゃん。自分の気持ちに正直になって。もしお兄ちゃんが瑠璃ちゃんの告白を断ったら、僕が代わりに幸せにしてあげるから!」

「圭太君……」

 小さなナイトの気持ちがうれしくて、思わず「うん、わかったよ」と返事してしまった。
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