俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「離すわけないだろ? あんなことを言われて」
反対の手が私の腰に回り、グッと引き寄せられた。至近距離で私を見る副社長は苦しげに顔を歪ませる。
「どうして瑠璃ちゃんは俺に見合いをしてほしくないの? ……泣いている理由はなに?」
そんなの言えるわけない。副社長のことが好きだからだなんて言えないよ。
固く口を結んだ。
「最近ずっと感じていたんだけど、気のせいだと言い聞かせていたことがある。……もしかして瑠璃ちゃんも、俺のことを好きになってくれた? だから見合いしないでほしいって言ったのか?」
「ちがっ……!」
慌てて反論しようとしたところでハッとなる。これでは認めているようなものだと。
副社長は私の態度を見て確信を得たようで、畳み掛けてきた。
「だったらどうして言ってくれなかったんだ? 俺は何度も言ったはずだ、瑠璃ちゃんのことが好きだと」
「だってそれはっ……」
そこまで言いかけた時、遠くのほうから数名の笑い声が聞こえてきた。
そうだ、ここは廊下。上層階とはいえ、いつ誰が通るかわからない。
「続きは中で聞かせてくれ」
「あっ……」
反対の手が私の腰に回り、グッと引き寄せられた。至近距離で私を見る副社長は苦しげに顔を歪ませる。
「どうして瑠璃ちゃんは俺に見合いをしてほしくないの? ……泣いている理由はなに?」
そんなの言えるわけない。副社長のことが好きだからだなんて言えないよ。
固く口を結んだ。
「最近ずっと感じていたんだけど、気のせいだと言い聞かせていたことがある。……もしかして瑠璃ちゃんも、俺のことを好きになってくれた? だから見合いしないでほしいって言ったのか?」
「ちがっ……!」
慌てて反論しようとしたところでハッとなる。これでは認めているようなものだと。
副社長は私の態度を見て確信を得たようで、畳み掛けてきた。
「だったらどうして言ってくれなかったんだ? 俺は何度も言ったはずだ、瑠璃ちゃんのことが好きだと」
「だってそれはっ……」
そこまで言いかけた時、遠くのほうから数名の笑い声が聞こえてきた。
そうだ、ここは廊下。上層階とはいえ、いつ誰が通るかわからない。
「続きは中で聞かせてくれ」
「あっ……」