俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「ちょ、ちょっと副社長!?」

「いやー、ヤキモキしている瑠璃ちゃんもかわいいなーって思って」

「な、なにを言って……！」

　こっちは本気で話しているのに。
　ジタバタすると、宥めるように背中をポンポンと叩かれた。

「安心して。見合いなんてするわけないだろ？　だって俺が好きなのは瑠璃ちゃんなんだから」

「え……でも、だったらどうして社長はお見合い写真をお持ちになったんですか？」

「んー、それは建前上見合いをするって言ったから」

「……どういうことですか？」

　真意を知りたくて顔を上げると、愛しそうに見つめる彼と目が合う。ドキッとした私に口元を緩めた。

「それは秘密。今はまだ話せないけど、時期がきたら必ず話すから。……でも安心して、俺が好きなのは瑠璃ちゃんだけだから」

　甘い言葉を囁きながら近づく距離に、再び必死に抵抗した。

「まだ私の話は終わっておりません！」

「これ以上なにがあるっていうの？　そろそろお預けされるのも、限界なんだけど」

　子供みたいに拗ねる副社長に、一番不安に思っていることを伝えた。
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