俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「今回のお見合いは受けないのかもしれませんが、いずれ副社長は見合った方と結婚なさる日がくるじゃないですか。……私では不釣り合いです、住む世界が違うんです」

 私は一社員でしかない。でも副社長は違う。東雲社長のご子息で、グループのトップに立つ立場になる。
 今は私のことを好きだと言ってくれていても、この先はどうなるかわからないでしょ?

 不安な気持ちを吐露すると、副社長は厳しい表情を私に向けた。

「俺に見合う女性ってどんな人?」

「それはっ……! 今回お見合いするような、社長令嬢などではないでしょうか?」

「瑠璃ちゃんじゃ不釣り合いって誰に言われたの? 住む世界が違うってなに?」

「ですから、それは……」

 答えると、立て続けに追及されうまく口が回らなくなる。
 副社長はそんな私の肩を掴み、真剣な瞳を向けた。

「俺に見合う相手かどうかは、俺自身が決める。……言っておくけど、瑠璃ちゃん以上に俺に見合う女性などいないから」

「でも……」

 副社長はそう言ってくれても、東雲社長はどう思う? 会社の重役たちだってそうだ。
 煮え切らない私に、彼は深いため息を漏らした。
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