俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「ちょっと瑠璃ちゃん、なに言ってるの!」

「なに言ってるのじゃありません! どうしてすぐに私を呼んでくださらなかったのですか? ふたりで説明をすればよかったのに……」

 昨夜のうちに社長から連絡があったはず。それなのにどうして私には教えてくれなかったの?

「ごめん。できれば瑠璃ちゃんを巻き込むことなくすべて解決したかったんだ。……これからなにが起こっても、心を痛めないでくれ」

「――え」

 意味深なことを言うと、副社長は私の肩に腕を回した。社長をはじめ、重役たちがいるまで引き寄せられた身体。
 よりいっそう騒がしくなる中、副社長は私の肩に腕を回したまま堂々と言った。

「まだ公表しておりませんでしたが、僕と彼女は婚約しています。近々、結婚する予定です」

 婚約に結婚って……えっ! 副社長!?
 両想いになったのは昨日だ。それなのにいきなり結婚って、どういうこと?

 周りと同じように私も目を白黒させる中、彼は続ける。

「提示された写真は、ただの痴話喧嘩の様子です」

「だ、だったらどうしてさっさとそう言わないんだ!?」

「痴話喧嘩なんてお恥ずかしいではないですか。それに婚約や結婚のことも、まだ秘密にしておきたかったので」
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