俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「さっきの話しの続きだが、キミから持ち掛けられた見合い話、受けるフリをしなさいと言ったのは私なんだ。その見合いもキミの陰謀が絡んでいるんだろ?」

「な、にを言って……」

 いよいよなにも言えなくなった社長に、重役たちも戸惑っている様子。今度は副社長が社長を追及した。

「見合いだけじゃない、あなたは甥である源に俺を副社長職から退けることに協力したら、いずれその席を与えようと言ったらしいじゃないですか」

 嘘――。源君が社長の甥? これまでの言動はすべて社長に言われてのことだったの?

「ご存じなかったですか? 源は数週間前からこっちの味方だったんですよ? 俺を陥れるためにちらつかせていた写真も、源に撮らせたものです」

 どういうこと? 撮らせたものって。
 話についていけず、頭の中は混乱したまま。それでも話は進んでいく。

「私がなぜ息子を日本に送り込んだか、まだわかりませんか? ……あなたが金銭を私的に受け取った建設会社を優遇し、また会社の金も使いこんでいると聞いたからですよ」

 嘘でしょ、社長がそんなことをしていたなんて……。

「な、なにを言っているのか……」
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