俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
 片づけをしてから行く準備をし、三人で向かった先は都内にある水族館。どうやら圭太君が三人で絶対行きたいと言っていたらしい。

 昼食は水族館で済ませ、イルカやペンギンのショーを見て回っていたら、時間はあっという間に流れていく。

「お兄ちゃん、ありがとう! 大切にするね」

「私までありがとうございました」

 土産店で俊輔さんは、私と圭太君に大きなイルカのぬいぐるみを買ってくれた。
 幼い頃、大きなぬいぐるみに憧れていたから、大人になった今、こうして買ってもらえて恥ずかしいけれどうれしい。

 ギュッと抱きしめると、そっと頭を撫でられた。

「どういたしまして」

 そのまま彼はしゃがむと、圭太君の頭も撫でた。

「圭太に付き合ったんだ、今度は兄ちゃんに付き合ってくれよ?」

「もちろんだよ」

そう言うとなぜか圭太君は笑顔で私を見つめてくる。

「どうしたの?」

 今朝からふたりとも、なにか隠している感じがするんだけど、やっぱり「なんでもない」とはぐらかされ、俊輔さんの運転で向かった先は、なぜかうちのホテル。

「どうしてここに?」

 車から降りて立ち尽くしていると、私の両隣に俊輔さんと圭太君が立った。

「それじゃ行こうか、圭太」

「うん!」

 ふたりに手を繋がれ、ワケもわからぬまま玄関を抜けると、そこにはスタッフが待ち構えていた。
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