俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「……はい」

 なにもかも図星でびっくりしたほどに。

「それならよかったよ」と言いながら彼が立ち上がると、あれほどギューッと抱き着いていた圭太君は、ゆっくりと私から離れた。

「そうだよね、瑠璃ちゃんも新しいお仕事で忙しくなるんだよね?」

「……うん」

「そっか。……僕もきっと新しい学校に行ったら忙しくなると思うし……ここでバイバイしたほうがいいのかもしれないね」

 わかってもらえてホッとすると同時に、罪悪感に襲われる。
 この場だけの約束になるかもしれないとしても、「また会おう」って言うべきだったかもしれないと。

 その思いが強くなり圭太君に伝えた。

「でもまたどこかで会えたら、飛行機の中のようにいろいろなお話をたくさんしよう」

「本当?」

「うん、約束」

 もしかしたら偶然街中で会うことがあるかもしれない。こうして飛行機の中で席が隣同士になり出会えたのも、なにかの縁があったからだと思うから。きっと深い縁で繋がることができたのなら、切れることなく続いていくはず。

 小指を立てて差し出すと、圭太君はうれしそうに自分の小指を私の小指に絡めた。

「約束ね!」

「うん」
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