俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「その前に会社に寄らないと」
これから社長の息子である、副社長に対面する予定になっている。うまくやっていける人だといいんだけどな。……ううん、きっと大丈夫。だって社長の息子さんだもの。きっとうまくやっていけるはず。
期待と希望を胸に、意気揚々と一歩踏み出した。
だけどそんな私の期待と希望は、数時間後にガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
久しぶりに向かった日本本社。始業時間は過ぎていて社内の廊下はとても静か。
「久しぶりだね、木名瀬さん。向こうでの活躍はこっちにも届いていて、私も鼻が高かったよ」
一歩前を行くのは、秘書課の課長。四十五歳になる物腰の柔らかい人だ。
向かった先は副社長室。いよいよ対面を果たす時がきた。
副社長はイギリスの大学に通い、そのままイギリス本社で経験を積んできた。そして晴れて日本本社の副社長に赴任されたのだ。
三十歳ながら語学堪能で頭の回転が速く、イギリスで赤字続きのホテルを大胆改革で黒字に回復させたやり手だと聞いている。
これから社長の息子である、副社長に対面する予定になっている。うまくやっていける人だといいんだけどな。……ううん、きっと大丈夫。だって社長の息子さんだもの。きっとうまくやっていけるはず。
期待と希望を胸に、意気揚々と一歩踏み出した。
だけどそんな私の期待と希望は、数時間後にガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
久しぶりに向かった日本本社。始業時間は過ぎていて社内の廊下はとても静か。
「久しぶりだね、木名瀬さん。向こうでの活躍はこっちにも届いていて、私も鼻が高かったよ」
一歩前を行くのは、秘書課の課長。四十五歳になる物腰の柔らかい人だ。
向かった先は副社長室。いよいよ対面を果たす時がきた。
副社長はイギリスの大学に通い、そのままイギリス本社で経験を積んできた。そして晴れて日本本社の副社長に赴任されたのだ。
三十歳ながら語学堪能で頭の回転が速く、イギリスで赤字続きのホテルを大胆改革で黒字に回復させたやり手だと聞いている。