俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
日本本社の社員が、普段どんな風に仕事に取り組んでいるのか、自分の目でしっかり見たいからと。
時間が空いた時に各部署を回り、コミュニケーションをとっていて、現場の社員の声に耳を傾け、社内改革に取り入れたいと言っていた。時間はかかるが、全部の部署を回ると言っている。
そういう社員思いのところは、やはり東雲社長のご子息だと思った。だからこそ少しでも副社長のお力になれれば……と思い、仕事に励んでいる。
改めて仕事に対する姿勢に尊敬の念を抱いていると、食べ終えた副社長は「ごちそうさま」と言い、笑顔で私を見上げた。
「さて、瑠璃ちゃん。いい加減ふたりで食事にいこうよ」
「……はい?」
副社長ってば、また……。
不快感を露わにしても、にこにこ笑顔で続ける。
「ずっと誘ってるだろ? ほら、親睦を深める意味でもさ」
「お食事なら、もう何度もご一緒しているではありませんか」
「それは会食の席でだろ? ふたりっきりで食事をしたことは、一度もない」
すぐさま言ってきた彼に、呆れ果てる。
本人に言ったことはないけれど、仕事面ではとても尊敬している。……そう、仕事面だけは!
普段の彼は、とてもじゃないが尊敬できない。むしろ苦手……いや、嫌いの部類に入る。
時間が空いた時に各部署を回り、コミュニケーションをとっていて、現場の社員の声に耳を傾け、社内改革に取り入れたいと言っていた。時間はかかるが、全部の部署を回ると言っている。
そういう社員思いのところは、やはり東雲社長のご子息だと思った。だからこそ少しでも副社長のお力になれれば……と思い、仕事に励んでいる。
改めて仕事に対する姿勢に尊敬の念を抱いていると、食べ終えた副社長は「ごちそうさま」と言い、笑顔で私を見上げた。
「さて、瑠璃ちゃん。いい加減ふたりで食事にいこうよ」
「……はい?」
副社長ってば、また……。
不快感を露わにしても、にこにこ笑顔で続ける。
「ずっと誘ってるだろ? ほら、親睦を深める意味でもさ」
「お食事なら、もう何度もご一緒しているではありませんか」
「それは会食の席でだろ? ふたりっきりで食事をしたことは、一度もない」
すぐさま言ってきた彼に、呆れ果てる。
本人に言ったことはないけれど、仕事面ではとても尊敬している。……そう、仕事面だけは!
普段の彼は、とてもじゃないが尊敬できない。むしろ苦手……いや、嫌いの部類に入る。