俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
考えながらパソコンを起動させると、席が隣の細川さんに指摘された。
「ほら、また……! その眉間の皺! なにを朝から怒っているのよ」
「えっ?」
隣を見ると、彼女は自分の眉間を指差していた。
「面倒な仕事のメールでもきていたの? だとしてもその顔はやめなさい。前の席に座っている人に迷惑でしょ?」
すかさず前の席の後輩に目を向けると怯えていて、目が合うなり作り笑いを浮かべて、必死に首を左右に振っていた。
「……ごめんなさい、なんでもないの」
本当、どうしたらみんなを怖がらせずにすむのだろうか。
「クールビューティーなところが、木名瀬さんの魅力じゃないですか。僕は眉間に皺を刻んだ顔も素敵だと思いますよ」
小さなため息をひとつ零した時、爽やかな笑顔で現れたのは、秘書課で唯一の男性社員である源(みなもと)健一(けんいち)。
私より二歳年下の二十五歳。アイドル系のかわいい顔をしていて、細川さんの話だと女性社員に人気があるとか。そんな彼になぜか私は変に興味を持たれているというか、敵視されている気がする。
「ほら、また……! その眉間の皺! なにを朝から怒っているのよ」
「えっ?」
隣を見ると、彼女は自分の眉間を指差していた。
「面倒な仕事のメールでもきていたの? だとしてもその顔はやめなさい。前の席に座っている人に迷惑でしょ?」
すかさず前の席の後輩に目を向けると怯えていて、目が合うなり作り笑いを浮かべて、必死に首を左右に振っていた。
「……ごめんなさい、なんでもないの」
本当、どうしたらみんなを怖がらせずにすむのだろうか。
「クールビューティーなところが、木名瀬さんの魅力じゃないですか。僕は眉間に皺を刻んだ顔も素敵だと思いますよ」
小さなため息をひとつ零した時、爽やかな笑顔で現れたのは、秘書課で唯一の男性社員である源(みなもと)健一(けんいち)。
私より二歳年下の二十五歳。アイドル系のかわいい顔をしていて、細川さんの話だと女性社員に人気があるとか。そんな彼になぜか私は変に興味を持たれているというか、敵視されている気がする。