俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「そうだね、ごめんね瑠璃ちゃん。食事の時にいっぱい話を聞いてね?」

「うん、わかったよ」

 圭太君を見ているだけで癒される。……副社長が言っていたサプライズって、圭太君のことだったんだ。
 たしかに圭太君が来ると聞いたら、行かないとは言えそうにない。究極の切り札だ。

「どう? 俺からのサプライズ、喜んでもらえた?」

「……はい」

 それはもう大変うれしいです。なんて心では思っていても、顔にはうまく出せていないんだろうな。……だけど、私の感情を読み取ることができる副社長になら、きっと伝わっているはず。

 その証拠にチラッと彼を見れば、興奮状態の圭太君を宥めながら満足げな顔をしているから。
 それから私たちは都内にあるホテルへ向かった。

 到着し、車から降りるとタイミングよく副社長のスマホが鳴った。

「悪い、玄関ロビーで待っててくれ」

 相手を確認して副社長は電話のため、車内に戻っていく。

「圭太君、先に行ってようか」

「うん!」

 そう言うと自然と手を握った圭太君に、ドキッとしてしまう。

「瑠璃ちゃん、早く!」

 グイグイ手を引かれ、無邪気な笑顔を見せられると自然と笑ってしまった。
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