俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「お兄ちゃん、昔から僕に言っていたんだ。本当に好きな子しか名前で呼んじゃだめだって。それにデートに誘うのもね」
得意げに言うと、圭太君は副社長を見つめた。
「それにね、お兄ちゃん……ダディの会社に入ってから、ずっと働き詰めでマムもよく心配していたんだ。それなのに少しでも休みが取れると、僕たちに会いにきてくれて、ファミリーの時間を大切にしてくれた」
そう、だったんだ。
意外な副社長の一面を聞き、そっとカップをテーブルに置いた。
「僕ともたくさん遊んでくれて、いろいろなことを教えてくれたんだよ? カッコよくてなんでもできて、本当に自慢のお兄ちゃんなんだ」
満面の笑みで言う圭太君に、副社長は頭を抱え込んだ。
「ありがとう、圭太。……だが、そこらへんで勘弁してくれ」
「えぇー、どうして? 僕、お兄ちゃんのこと褒めているのに」
「そういうのを知られるのは、大人になると恥ずかしいものなんだ」
「そうなの? 僕は全然恥ずかしくないと思うけどなぁ」
ふたりのやり取りが微笑ましい。歳が離れていても仲が良くて、なにより副社長が圭太君のことはもちろん、家族をとても大切にしているのが伝わってくる。
私の家族の仲が良いほうだと思うけれど、弟は年頃なのか家族を毛嫌い、私が声をかけても素気ない。圭太君ぐらいのかわいい年頃が懐かしい。
得意げに言うと、圭太君は副社長を見つめた。
「それにね、お兄ちゃん……ダディの会社に入ってから、ずっと働き詰めでマムもよく心配していたんだ。それなのに少しでも休みが取れると、僕たちに会いにきてくれて、ファミリーの時間を大切にしてくれた」
そう、だったんだ。
意外な副社長の一面を聞き、そっとカップをテーブルに置いた。
「僕ともたくさん遊んでくれて、いろいろなことを教えてくれたんだよ? カッコよくてなんでもできて、本当に自慢のお兄ちゃんなんだ」
満面の笑みで言う圭太君に、副社長は頭を抱え込んだ。
「ありがとう、圭太。……だが、そこらへんで勘弁してくれ」
「えぇー、どうして? 僕、お兄ちゃんのこと褒めているのに」
「そういうのを知られるのは、大人になると恥ずかしいものなんだ」
「そうなの? 僕は全然恥ずかしくないと思うけどなぁ」
ふたりのやり取りが微笑ましい。歳が離れていても仲が良くて、なにより副社長が圭太君のことはもちろん、家族をとても大切にしているのが伝わってくる。
私の家族の仲が良いほうだと思うけれど、弟は年頃なのか家族を毛嫌い、私が声をかけても素気ない。圭太君ぐらいのかわいい年頃が懐かしい。