俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「そんなお兄ちゃんだから、ずーっと恋人がいなかったんだよ? 仕事ばっかりだったの。だから瑠璃ちゃんのことは、本気で好きなんだよ! 信じてあげて!」

「えっと……」

 これはいったいどう答えればいいのやら……。
 チラッと副社長を見ると、耳まで赤く染めていた。

「え……副社長?」

 なんですか、その反応は。え、まさか圭太君の話は本当だなんてことは、あり得ませんよね?
 だけといつもは自信たっぷりで、冗談ばかり言っている彼が照れている姿を見ると、本当な気がしてくる。
 いや、まさか。だって副社長が私を……だなんて。

 そう思うと私まで恥ずかしくなり、身体中が熱くなる。

「あー、瑠璃ちゃんもお兄ちゃんも、ふたりして顔が真っ赤だ!」

「……っ」

 圭太君に指摘され、ますます顔が熱くなる。
 恥ずかしくて視線が下がると、副社長が口を開いた。

「圭太の言う通りだよ」

「えっ?」

 顔を上げると、真剣な面持ちで私を見つめる彼がいた。

「最初は圭太が懐いたから興味を持ち、父さんお墨付きの秘書だと知ってますます興味が湧いた。……なんでも完璧にこなしながら、感情を表に出すのが苦手な不器用な一面を持っていて、なんていうか……グッときたというか」

 グ、グッときたって……。
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